訪問看護っておもしろい!

 若いナースの皆さん、20歳代に一度訪問看護を経験しましょう!

 ベテランナースの皆さん、新たな“看護”への挑戦をしましょう!

 私は、19才の学生のときに“訪問看護”に出会いました。その当時、日本には“訪問看護”という言葉も、概念も、もちろん教育もありませんでした。あったのは、先輩ナースがボランテイアでやむにやまれる状況を見て実践を始めていたのでした。どの時代にもナースは、その必要性を自覚し自ら行動をはじめる力強い存在のようです。先輩ナースに同行させていただいたときに、その患者さんが私にこういいました、『学生さん、これからはね、看護師さんは病院の中だけにいるのではなく、俺らのように家にいる病人や障がい者の家に来てくれて助けてくれる看護師さんが必要だよ。あなたもそういう看護師さんになってな』と。私は、はっと思い、日本で始まりかけていた“訪問看護”を自らも実践してそれを制度化して全国に普及していく仕事をしたいと思いこの道に進みました。

「医療」としても“看護”だけでなく、「日常生活支援のプロとして」

 日本社会は、未曾有の高齢社会。それを支える私たちナースは、診断治療中心という「医療」の場だけではなく、治らなくても、死に向かっていても重い障害があっても、ご本人が主体的に『生活し生きる』ことを支援する「生活」の場での看護が求められています。「日常生活支援のプロ」として在宅での生活を支えるのが“訪問看護”です。難しい面もありますが、奥深い看護に出会え、自分自身の人生観・人間観が変わることもあります。おもしろいんです!

キャリアアップに

 若いときに一度(数年)訪問看護を経験することは、看護師としてのキャリアアップになります。広い視点で患者さんや利用者さん(介護保険ではこう呼びます)を見ることができようになり、その後の看護師人生にプラスになるでしょう。

どの時点でも、新たな“看護”への挑戦を

 看護師は一生のライセンス。途中で休憩しても、また熟年になられても、自分が持っている知識や技術と熱いハートを社会のために! 人生のどの時点からでも、“訪問看護”にチャレンジを!

いろいろ不安はあるかもしれませんが、まずは門をたたいてみてください!

全国訪問看護事業協会事務局次長
東京・健和会・看護介護政策研究所所長
宮崎和加子